中小企業や個人事業主問わず、誰もがビジネスを安定させて成功に導きたいと考えています。この記事で1は「3C分析」と「4P分析」の具体的な使い方とそれぞれの分析方法の違いを解説し、あなたのビジネスを飛躍的に伸ばすきっかけになればという思いで書きました。
私はかつて、これらのフレームワークを理解しても上手に活用することができず、多くの試行錯誤を重ねてきました。
だからこそ、具体例を挙げながら、これらの分析方法がどのように機能してプロジェクトに応用できるのかを具体的に説明していきます。
この記事を読むことで、競合他社と差別化を図れる策略を立てるための一助になればと思っています。自社の成功への道のりを探求し、ビジネスの更なる高みへ向かっていきましょう。
誰でも分かる!3C分析と4P分析の基礎知識
そもそも3C分析とは?
3C分析は企業が競争力を高めるための基盤となる分析フレームワークであり、顧客(Customer)、競合他社(Competitor)、自社(Company)の3つの要素を深く探求することで顧客や消費者の潜在的心理や本音(インサイト)を得ることができます。
3C分析はビジネス界で広く認識されている戦略的なアプローチであり、その効果は多くの事例研究やビジネスリーダーから支持されています。
実際に、大企業やフリーランスを含めた個人事業主問わず、このフレームワークを使用して成功したケースが数多くあります。私は多くの起業講座やコンサルティングを受けてきましたが、必ず3C分析をする機会がありました。
顧客(Customer)
ニーズ分析 | 「お金を払ってでも解決したい不満や悩みは何か?」を見つけるため、市場調査を行い、ターゲットとなる顧客のニーズや要求を特定します。 |
行動分析 | どんな思考と心理で行動するのか?顧客の購買行動やトレンドを分析します。 |
セグメンテーション | 悩みや性別や年代、立地などで区切り、それぞれに対してのアプローチ方法や訴求ポイントを計画します。 |
競合他社(Competitor)
強みと弱み | 競合他社の強みと弱みを分析し、差別化ポイントを見つけます。 |
市場シェア | 競合他社の市場シェアを調査し、どのくらい売上が見込めるかなど検討します。 |
自社(Company)
内部環境分析 | 自社の資源、能力、強み、弱みを詳細に分析します。 |
ビジョンとミッション | 自社のビジョンとミッションを明確にし、それに沿った戦略を計画します。 |
3C分析は企業が競合他社や市場を総合的に理解し、成功確率を上げるための差別化戦略を策定する強力なフレームワークです。
事業成功のために顧客の深い理解、競合他社の戦略の洞察、そして自社の強みと弱みの正確な評価が不可欠であり、3C分析はこれらを統合して一つの戦略的ビジョンを構築するのに役立ちます。
このフレームワークを用いることで、企業は市場における自身の位置をより明確にし、持続可能な競争優位性を築くことが可能になります。
4P分析とは?
4P分析とは、マーケティング戦略を立てる際に不可欠なフレームワークであり、製品(Product)、価格(Price)、販売場所(Place)、宣伝(Promotion)の4つの要素を総合的に分析する方法です。
「4P」という考え方は、米国のマーケティング学者エドムンド・ジェローム・マッカーシーによって1960年に提唱されました。
このフレームワークは長年にわたり広く受け入れられ、多くの企業が4P分析を活用してマーケティング戦略を策定しています。
商品(Product) | 商品やサービスにどのようなウリがあるか分析します。品質やブランド名も含まれます。 |
価格(Price) | 価格が適正か分析したり、商品やサービスに付加価値をつけることで高単価にできるか検討します。 |
販売場所(Place) | ”どこで”売るか?検討します。オンラインなのか店舗なのか、都会なのか地方なのかなど分析します。 |
宣伝(Promotion) | ”どうやって”売るか?検討します。セミナーを開催して売ったり、SNSを使ってバイラル(口コミの拡散)を考えたりします。 |
企業の例
- Apple:独自性の高い製品開発を行い、顧客の期待を超える製品を提供しています。
- ユニクロ:良質な製品をリーズナブルな価格で提供しています。
- スターバックス:アクセスの良い場所に店舗を展開しています。
- 資生堂:ブランドの美的価値を高める高品質な広告戦略を展開しています。
4P分析は、製品開発からプロモーションまでの各段階で戦略的な視点を持つことを可能にします。それぞれの「P」が相互に関連しながら機能し、企業が市場で成功を収めるための強固な基盤を築くのに役立ちます。
具体的な事例を参照しながらこのフレームワークを理解することで、企業は市場での強固な立ち位置を築き上げることが可能となります。
3C分析と4P分析の決定的な違い
3C分析と4P分析の決定的な違いを理解する
ビジネスの戦略策定には多くの分析手法が用いられます。今回は特に「3C分析」と「4P分析」に焦点を当て、これらの手法の違いとどのようなシチュエーションでそれぞれを活用すべきかを検討します。
シンプルにいえば、3C分析は内部要因、つまり”何をお客様に表現していくか?”を考えるためのものであり、4P分析は外部要因、つまり”どのように表現していくか?”を決めていくフレームワークになります。
3C分析は戦略的なビジョンを構築するのに非常に有効です。ビジネス環境の深い洞察が必要な場合や、企業の強みと弱みを詳細に分析する必要がある場合に用いられます。
私は3C分析は「差別化戦略」を考える際に活用しており、”誰に何を届けるのか?”といったコンセプト立案には必要不可欠です。
4P分析は製品の位置付けとマーケティング戦略の策定に用いられます。新製品のローンチやマーケティング戦略の策定時に非常に有効です。
3C分析で何を打ち出していくか?コンセプトを考えたら、それをどのように表現していくのか、肉付けしていくのが4P分析です。
3C分析と4P分析はそれぞれ異なる焦点を持つ分析手法であることはもちろんですが、考えていく優先順位としては、まずは3C分析で次に4P分析になります。
どちらのフレームワークも使いこなすことで、より効果的なビジネス戦略を策定することができます。企業自身の状況を正確に把握し、「今、何を考えることが重要なのか?」適切な分析手法を選ぶことが重要です。
4P分析から7P分析へさらなる深化を遂げる
7P分析は4P分析をさらに発展させ、サービス産業に特化したマーケティング戦略の枠組みを提供します。これにより、企業は顧客満足度を高め、競争優位を確保できる可能性が高まります。
4P分析(Product, Price, Place, Promotion)は商品中心のマーケティングに焦点を当てていますが、現代の市場環境ではサービスの側面も重要となっています。この認識から、3つの新しい要素が追加され、7P分析が誕生しました。
人(People) | サービス提供者と顧客の関係を重視します。どのようなお客様にご来店いただくかを考えたり、満足度を向上させるために接客対応の見直しを図ったりします。 |
プロセス (Process ) | 製造過程においてコストを抑えたり、店舗の雰囲気やスタッフとお客様のコミュニケーション、サービスを提供するまでの流れについて検討します。 |
物的証拠 (Physical Evidence) | サービスの品質を示す具体的な証拠を提供します。実績や受賞歴、競合他社とにはない魅力的なウリを考えていきます。 |
これらの要素は、サービス提供企業が顧客に対して付加価値を提供し、良い印象を与えるのに不可欠です。
企業の例
実際の企業での7P分析の成功例として、以下のような点が挙げられます:
- ANA:カスタマーサービスに力を入れており、高品質なサービスを提供しています。
- トヨタ:トヨタ生産方式(TPS)は効率的なプロセス設計の模範例とされています。
- MUJI (無印良品):シンプルかつ機能的なデザインをブランドイメージとして高めています。
7P分析は、サービスの品質と顧客満足度を高める戦略的アプローチを企業に提供します。具体的な実例を見ても、7P分析の効果的な活用が企業の成功に大いに貢献していることが分かります。
企業はこの枠組みを利用してサービスを最適化し、顧客へのサービス提供を強化することで、競争力を高めていくことが重要です。
2つの分析の効果的な活用方法
3C分析で企業の差別化を考える
3C分析は企業が自身の強みと競争優位点を明らかにする上で非常に効果的です。
企業は市場での位置付け(ポジショニング)を明確にするために、自身の強み (Company)、顧客のニーズ (Customer)、そして競合他社の動向 (Competitor) を理解する必要があります。この理解は企業が差別化を図る上で不可欠です。
私の場合は、実績もなく専門的経歴もない、いわゆる”弱者”でした。弱者がSEOコンサルティングサービスを提供していくためには差別化を考えなくてはならず、3C分析を使って競合他社にはないコンセプトを考えていきました。
私の強みは”コーチング”であり、得意なことは、相手のやりたいことやミッションに基づいた強みや魅力を引き出すことです。
総合的に分析した結果、”差別化コンセプトを考えられるSEOコンサルティングができる人”というブランドで打ち出していくことをコンセプトとして浮かび上げることができました。
3C分析は企業が市場で成功を収めるための差別化戦略を立案する基盤を提供してくれます。この分析があるからこそ、企業は独自の強みを発揮し、競合に負けない競争力を高めることできます。
4P分析でマーケティングアプローチの改善を知る
4P分析を活用することで企業はお客様にとって魅力的安商品やプロモーションを具体的に立案することができます。
4P分析の素晴らしい特徴は「どのような商品を作り、どこで、どうやって、誰が、どのように販売していくのか」を考えていくために、カテゴリー化されていることです。
また、改善すべきことを考える際にも、どのカテゴリーから改善していくのか?を決めることで、具体的に施策などを検討できるため、販売戦略を考えていく上では必要不可欠です。
多くの場合は商品の改善に特化することだけに注力しがちですが、実はお客様に対する接し方に問題があったり、あるいはホームページやSNSなどで表現する際に、ブランドイメージが不一致している可能性に気づかせてくれます。
3C分析と4P分析を使った例
3C分析で生まれ変わるユニークな差別化戦略
3C分析を適切に使用することで、企業はユニークな差別化戦略を生み出し、競合他社との差別化を図ることができます。私を例に提示していきます。
Customer (顧客) | ・自社(自分)のウリに基づいた差別化コンセプトが見つからず、当たり障りのない情報発信をしているだけになってしまい、成果に結びにくくなっている企業(起業家) ・WEBやSNSを使って集客をしていきたい |
Competitor (競合他社) | ・SEOを専門とするコンサティング会社 ・起業講座を主宰している大物起業家 |
Company (自社) | ・累計15万部のビジネス書作家に師事 ・全日本SEO協会認定コンサルタント(SEO検定1級保持) ・講師歴15年 |
ポイントは「誰をサポートしたいか?」という自分の想いが乗るお客様を決めることがスタートになりことです。
今の情報化社会において、ノウハウやテクニックといった情報のみに価値は付かず、お客様は想いがある企業や人を選ぶ傾向にあります。
その上で、お客様が不満に感じている競合他社の既存サービスや対応などをリサーチすることで、解決できる部分がないか考えていきます。
解決できそうな部分が判明した段階で「なぜ、自社(自分)が解決可能なのか?」という答えの部分を、自分の強みや経験で補えないか?検討していきます。
差別化が図れない企業(起業家)にミッションに基づいた差別化コンセプトの作成及びコンセプトに基づいたSEO対策をすることで、集客しながらブランディングを図っていくコンサルティングを提供すること
このように、3C分析は企業が自身の位置を明確にし、顧客のニーズを満たしながら競合他社との差別化を図る戦略を生み出す上で非常に有用なフレームワークです。この分析を利用することで、企業は独自の価値提供を行い、市場での成功を追求することが可能になります。
4P分析で見直すべきポイントと最適化戦略
3C分析でコンセプト(方向性)を決めたら、具体的に中身の決定に入っていきます。それが4P分析です。どのような商品を作成し、どのくらい高単価でいくかを検討し、認知度を上げていくためにどのような場所で何を発信していくのかをカテゴリーごとに考えていきます。
Product(製品) | ・深層心理に問いかける対話術を用いて、思考の幅の拡張や視座を高めて思考する提供を与えるコーチング ・目標設定から行動プランの作成 ・現在のSEO対策に基づいたコンサルティング ・WEBマーケティング全般のアドバイス |
Price(価格) | 個人で取り組んでいるため、法人よりも安価で提供 |
Place(場所) | ネット検索、SNS |
Promotion (プロモーション) | ネットやSNSにおける情報発信 |
4P分析は企業が市場で成功を収めるための貴重なガイダンスを提供するフレームワークです。この分析を活用して見直しを行うことで、企業は競争力を高め、持続的な成長を目指すことができます。そして、最適化戦略を策定することで、市場の変化に迅速に対応し、企業の成功を確実なものにすることができます。
失敗を避けるためにも!3C分析と4P分析の注意点
3C分析で重要な「ターゲット設定」のポイント
3C分析は、自社ができることをもとにターゲットを考えていくことが主流ですが、私は自社ができることよりも、自社が救たい、サポートしたいお客様を考えることが重要だと考えています。
なぜなら、今の時代、想いが乗らない商品やサービスに対して、お客様は敏感に感じ取るからです。マーケティングによって集客・販売したとしても、商品やサービスにがっかりしたら、企業ブランドに傷がつくだけではなく、リピートもありません。
逆に想いが乗ると、拡張形成理論に基づき、分析の段階でクリエティブな思考力が向上し、浮かび上がるアイディアが変わってきます。想いが乗って考えたからこそ、浮かび上がったアイディアにお客様は魅了され、付加価値になっていくのです。
4P分析で何を改善するか?優先順位を決める
4P分析を行う際は、どの要素を最も重視するかによって戦略が変わります。したがって、優先順位を正確に設定することが重要です。優先順位を設定することで、企業はリソースを効果的に配分し、マーケティング戦略を最適化することができます。
例えば、4P分析によって商品や価格ではなく、販売(プロモーション)場所かプロモーションに問題があると判明したとします。
しかし、プロモーションの内容が良くないのか?あるいは、プロモーションする場所が良くないのか?判断できませんでした。そこでテストした結果、異なる媒体の広告を使ってプロモーションすることで上手くいきました。
これは4P分析によって、カテゴリーごとに考えることができからこそ、自然に検討することができました。もし、この分析がなければ広告の媒体は変更せず、プロモーションの内容の改良ばかりにこだわっていたかもしれません。
フレームワークの本質を理解し、実践して使いこなすこと
フレームワークは単に当てはめるだけでは何も効果はありません。フレームワークの意味や目的を本質から理解し、活用していくことが極めて重要です。そのためにも一度や二度活用して終わりにするのではなく、実践し続けることで自社にとって使いやすいようにアレンジしていくことが必要です。
コメント