Googleの理念から紐解く最新SEO対策について

SEOが厳しいと言われている中「どうにかして上位表示したい!」と思う気持ちや今まで上位表示していたサイトが、ある日突然圏外へ飛んでしまい、売上に大打撃を受けてしまって「何とかして検索結果1ページに戻さなくては!」と思っている方もいます。

SEO対策については、昔から色々な見解が飛び交っています。リンクを集めることやコンテンツSEOと呼ばれる記事の質を良くしていくことなど、テクニカルな部分が先行しており、本質を知らずに結果が出た人たちの意見を表面的に理解し行動している方々が多いように感じます。

表面的な理解は、Googleから受けるペナルティに繋がったり、昔は効果があったけど現在では効果をなさない手法を信じて実行してしまっていることにも繋がります。

そこで、Googleの理念を理解することで本質を理解し、世間一般で言われているSEOを鵜吞みにせず、理念に基づくSEO対策を私なりに解説しました。

巷のテクニックに惑わされず、本質を理解したSEO対策を身につけてください。

目次

なぜ、Googleの理念を理解する必要があるのか?

SEO対策を考えていく上でGoogleを理解することは必要不可欠です。ほとんどのユーザーは、Googleの検索エンジンを使っているからです。

検索結果を決めるのはGoogleである理由

世界にはGoogle以外の検索エンジンがあります。例えば、Microsoftが提供している「bing」や ガブリエル・ワインバーグ氏が設立した「DuckDuckGo」などがあります。

しかし、ユーザーの90%以上はGoogleの検索エンジンを使用しています。下のグラフを見てください。

<引用>
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/mobile/japan/#monthly-201407-202407(モバイル版)
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/desktop/japan/#monthly-201407-202407(デスクトップ版)

スマホ(モバイル)における検索プラットフォームの使用率が、Googleはこの10年で右肩上がりに上昇し、2024年7月現在、約90%を占めています。Yahoo!は10年前は約40%使用率があったのが、右肩下がりに減少し、今では10%代になっています。

ちなみに「Yahoo!はGoogleではないのでは?」と思うかもしれません。実は、YahooはGoogleの検索エンジン技術を採用しているため、Yahooでの検索結果とGoogleの検索結果は同じになります。

さらにデスクトップ版(PCで検索する場合)の推移を見てみると、Googleの検索使用率は10年前とほとんど変わらないが、なんとYahoo!はbingに抜かれるほど下降傾向にあります。

いずれにしても、SEO対策を考えるためにはGoogleを考える必要があるわけです。Googleの理念を知らず、小手先のテクニックを使ってWEBサイトを上位表示させようとすると無駄な労力になるか、下手をしたらペナルティ対象になるかもしれません。

Googleが求めているWEBサイトとは?

Googleが求めるWEBサイトを理解するために、「検索に対する Google の方針」を読むと理解できます。Googleは「関連性と信頼性がある情報を分かりやすい形式で提供する」ことを求めています。

参照:検索に対する Google のアプローチ

「情報は本当に正しいのか?」「WEBサイトと関連性があるのか?」根拠を踏まえながら情報を伝える必要があり、しかもユーザーに分かりやすく提供しなくてはなりません。かつて流行った長文を書けば上位表示できるというのは過去の遺産です。

大切な考え方は「ユーザーファースト」です。Googleの理念の基であると理解できます。自分のサイトに訪れてくれたユーザーが満足してコンテンツを見てくれるのかが、非常に重要になります。

Googleの理念とは何か?

「Google が掲げる 10 の事実」では以下のようなことを掲げています。

  • ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
  • 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
  • 遅いより速いほうがいい。
  • ウェブ上の民主主義は機能する。
  • 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
  • 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
  • 世の中にはまだまだ情報があふれている。
  • 情報のニーズはすべての国境を越える。
  • スーツがなくても真剣に仕事はできる。
  • 「すばらしい」では足りない。
引用:Googleが掲げる10の事実

ユーザーにとっての利便性を追求していくために何を心掛けていくのか、何を目指していくのかが読み取れます。そして、Googleの理念を紐解き、SEO対策という観点から踏まえると「コンテンツやデザイン設計・検索エンジンの利便性・E-A-T」の3つを重視することが大切であることが見えてきます。

E-A-TとはGoogleが評価基準として定めた「専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)」の頭文字を取ったものです。

検索されたページは、「どれだけ専門的なのか、どのくらい権威があるのか、どれほど信頼できる情報なのか」を評価されるため、ユーザーの立場を考えた評価基準であるといえます。

Google理念に基づく3つのSEO対策

具体的にGoogleの理念から読み解いたSEO対策について解説します。

快適なデザインやコンテンツ設計

ユーザーが検索結果画面からサイトをクリックしたとき、パッとみて古かったり、怪しそうなサイトでは直ぐに離脱します。そのようなサイトはユーザーにとって不快であるサイトなので、Googleは順位を落としていきます。

逆に誰が見ても綺麗なサイトであったり情報が整理されているサイトは、ユーザー体験も優れており、ワクワクしながら得たい情報を探します。結果として、サイト滞在時間が長くなり、役立つサイトとして判断されます。

昔は役立つ記事を書けば上位表示できる時代がありました。しかし、今はデザインやナビゲーション設計まで考える必要があるということです。つまり、使いやすさや分かりやすいデザインなど、UI/UXを意識した設計が重要になります。

表示速度とスマホ版表示

いくらサイトのデザインや利便性が向上しても、サイトをクリックしてからページが表示されるまでの時間がかかるようでは、ユーザーは不快になり離脱します。実際、コアウェブバイタルと呼ばれる取り組みである「表示速度・ページレイアウトの安定性・インタラクティブ性」を指標としてWEBサイトを評価しています。

参照:Web Vitalsの概要: サイトの健全性を示す重要指標

Googleの理念の中に情報検索はPCの前だけではないとありますが、これはスマートフォンやタブレットでの利便性も重視することだと理解できます。

2015年にGoogleは「モバイルフレンドリーアップデート」を行いました。これにより、スマホ対応しているサイトの順位が引きあがりました。

参照:モバイル フレンドリー アップデートを開始します

なぜスマホ対応しないとならないのでしょうか。ひとえにスマホユーザーが圧倒的に増えたからです。実際、総務省が発表しているデータをみると、2019年には世帯におけるスマートフォン保有割合が83.4%であることが判りました。

スマホは気軽かつ直ぐに調べることができるので、PCと比べると利便性が異なります。PCだけではなく、スマホ表示された場合もちゃんと見やすいかどうか確認することはSEO対策には必要不可欠になっています。

参照:総務省|令和2年版 情報通信白書|情報通信機器の保有状況

経験+専門性・信頼性・権威性

個人事業主だけではなく、企業もブログを運営することが当たり前の時代となりました。ブログを含めたコンテンツを作る際、意識しなくてはならないことが先ほど挙げたE-E-A-Tと関連性です。

特に「信頼性と関連性」はとても重要になります。私の見解ですが、信頼性を担保するために、専門性や権威性があると考えているからです。「検索に対する Google の方針」では、専門性や権威性ではなく、信頼性と関連性を伝えています。

ユーザー視点で考えると、信頼性や関連性がどれほど大事かが読み取れます。どれほど良い記事を書いたとしても、書いた情報に裏付けがなかったり、専門家でもない素人が書いた情報だとしたら、ユーザーは信じてくれるでしょうか。「言っていることはまともだけど、信頼できるの?」という疑問が浮かび、悩み解決にはなりません。

では、信頼性や関連性を高めるために、どのようなSEO対策を施せばよいのでしょうか。私は主に3つのことを心掛けるべきだと考えています。

  • プロフィールに専門家であることを記載し、実績や経歴を載せる
  • 分野に特化したサイトにする
  • 権威のあるサイトからリンクされている

ポイントは証拠をちゃんと載せるということです。「私は専門家です」と名乗っただけでは、誰でもできてしまいます。そのため、実績や経歴の画像を載せたり、紹介されているサイトへのリンクを貼るなどして、証拠を載せることが大切です。また、コンテンツでは情報源はどこなのか、しっかりとリンク先を載せることも合わせて重要になってきます。

しかし、一番信頼性が増すのは既に権威のあるサイトからリンクが貼られていることです。例えば、あなたのサイトが都道府県からリンクされていれば、ユーザーは安心してあなたのサイトを信じてもらえると思いませんか。

誰もが信頼しているサイトからリンクされているということは、ユーザーやGoogleにとって、一番の安心材料になります。

しかし、リンクを沢山集めるという古いやり方は止めてください。今はリンクを集めるだけでは上手くいきませんし、ペナルティ対象になります。かつて、リンクを沢山集めると、上位表示される時代がありました。しかし、ペンギンアップデートと呼ばれるアルゴリズム変更により、表面的にリンクを集めているサイトの順位は一気に下落しました。

Googleは正当な評価ができるようどんどん進化しています。自作自演のような信頼とは無縁なやり方では通用しません。自然にリンクしてもらえるような価値あるコンテンツを作り、正当に信頼を得てください。

さらに、近年は“経験”を前提として書かれたコンテンツが求められています。AIの発達によって、ChatGPTを代表とするように“質問を文書や画像で回答してくれるツール”が出てきました。

そして、グルメ系や美容系など、ビジュアルがメイン媒体であるジャンルに関しては、ユーザーはInstagramで検索するようにもなりました。

つまり、かつてのように分からないことはGoogleで検索するという考え方が変わってきたのです。さらに、Google検索をすれば、同じような内容が書かれたサイトがズラッと表示されるため、もはや情報に価値がない時代に突入したとも言えるのです。

だからこそ、画像で確認したい場合はInstagramのように、ユーザーが他の媒体ではなくGoogleで調べたいと思ってもらうためには、Google検索でしか得られない情報を提供する必要がでてきました。

それが“経験”です。経験は唯一無二のコンテンツになります。仮に10人がハワイに旅行したとしても、10人とも感じたことや思ったこと、楽しかったことなどは違います。当然、10人がハワイをおすすめするブログを書いたとしても、内容は異なるため、ブログを読むユーザーにとっては、どれも新鮮な内容になるのです。

参照:General Guidelines(3.4)

ユーザーファーストで考えるSEO対策の重要性

Googleは企業です。ユーザーのために貢献する理念があることは他の企業と同じです。つまり、サイトを上位表示させていくためには、自分のサイトが顧客満足度を100%以上満たしているか、考えながら作ることが極めて重要です。

いわばホームページはオンライン版の雑誌というイメージでしょうか。もし、自分のホームページがコンビニに売られているとしたら、お客様は興味をもって満足して読んでくれるかという視点をもつことが、今のSEO対策に結果として繋がる考え方であると、私は考えています。

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この記事を書いた人

SEO対策専門Shopifyエンジニア
エグゼクティブコーチ
全日本SEO協会認定コンサルタント(SEO検定1級保持)

1988年生まれ。東京理科大学卒業。
教育をきっかけに、心理学や脳科学、マーケティング、コピーライティングなどを学び実践。人を引き付ける方法や強みを引き出して差別化を図って魅力を出す方法を追求。ブログアフィリエイトをきっかけにSEO対策やWEBマーケティングに興味をもつ。shopifyの構築や運用やSEO対策のコンサルティングを提供している。

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